O fortunati, quorum iam moenia surgunt!

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「オー・フォルトゥーナーティー・クゥォールム・ヤム・モエニア・スルグント」と読みます。
Ōは「ああ、おお」を意味する間投詞です。
fortūnātī は「幸運な」を意味する第1・第2変化形容詞 fortūnātus,-a,-um の男性・複数・呼格です。名詞的に用いられています。「おお、幸運な者たちよ」。
quōrum は関係代名詞 quī,quae,quod の男性・複数・属格で、先行詞はfortūnātī です。moeniaにかかります。非制限用法ととります。Ō fortūnātīで呼びかける相手を2人称複数ととり、「おまえたちの」と訳します。かりに制限用法とみなす場合、全体の訳は、「おお、その者の城壁がすでにそびえているところの幸福な者たちよ」。
fortūnātīを男性・複数・主格ととる解釈も可能です。
iam(=jam) は副詞で「すでに」という意味です。
moenia は「城壁」を意味するmoenium,-ī n. の複数・主格です。
surgunt は「そびえる」を意味する第3変化動詞 surgō,-ere の直説法・能動態・現在、3人称複数です。
「おお幸福な者たちよ、おまえたちの城壁はすでにそびえているのだな」という意味になります。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる言葉です(Aen.1.437)。
己の運命と比較し、羨望の目でカルタゴの城壁を見つめる主人公アエネーアース(未来のローマの建国の祖)の言葉です。

アエネーイス (西洋古典叢書)
ウェルギリウス 岡 道男
4876981264

ウェルギリウス

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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